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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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正直な回答を得る調査

次のような方法を使うと,あるグループの人たちについての情報を,誰のプライヴァシーも傷つけることなく得ることが可能になる。この方法は,プライヴァシーは守るべきだと口ではいいながら,実際は詮索好きな時代にあって,ますます重要性を増していくことだろう。ここに多くのメンバーがいるグループがあり,そのなかの何パーセントの人がある性行為をしているか,知りたいとしよう。これは,エイズにかかりやすいのがどんな性行為かを知るための調査である。
 私たちは何をすることができるだろうか。財布からコインを出して,1回投げるようにすべての人に頼む。誰にもわからないように,彼らは表が出たか裏が出たかを自分で確認する。表が出た場合には,その人は質問に正直に答えなければならない。あなたはある性行為をしていますか,イエスそれともノー?裏が出た場合には,その人は単にイエスと答えなければならない。したがって,イエスという答はふたつのことを意味している。まったく意味のない(裏が出た)ものと,ひょっとするとばつの悪い(その性行為をしている)ものである。実験者にはイエスがどちらを意味しているかわからないので,人々は正直に答えるにちがいない。
 1000人の回答のうち620人がイエスだったとしよう。その性行為をしている人の割合について,この数字は何を意味しているのだろうか。1000人のうち約500人は,裏が出たというだけでイエスと答えたのだろう。だとすると,質問に正直に答えた500人(表が出た人たち)のうち,120人がイエスと答えたことになる。そこで,24パーセントがその性行為をしている人の割合だと判断することができる。

ジョン・アレン・パウロス 野本陽代(訳) (1990). 数字オンチの諸君! 草思社 pp.160-161
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