数年にわたるMBTI実施の結果,イーロンの学生には一定の特徴があることがわかった(MBTIでは,内向型/外向型,感覚型/直感型,思考型/感情型,受容型/判断型の4つの基準から16の性格傾向を分析する)。リッチによると「イーロンの学生の多くは,図書館で静かに勉強するよりも,体験をつうじて感覚的に学んでいくことを得意とすることがわかった」とのことだった。「一番多いのはENFPタイプ(外向/直感/感情/受容)で,2番目はESTJ(外向/感覚/思考/判断)でした。この結果はうれしかったです。私自身もENFPですから」。
リッチはさらに,ENFPタイプは,統一テスト等ではあまりいい結果を残せない一方,読書や実験を通じて学ぶのと同じぐらい,クラスメイトとの協同学習や学外研修,インターンシップ,実際の生活体験,課外活動などから学び,成長するのが得意であることを指摘した。しかし多くのイーロンの教員は,他の大学でもそうであるように,INTJタイプ,つまり内向的で思考を好む傾向があった。つまり彼らの多くは本の虫で,実際の生活体験よりも理論を好み,行動するよりも思索に耽っていたいタイプなのである。イーロンには,つまり,頭でっかちの教員と活力に満ちた学生の間に大きなギャップがあることが判明したのである。
ジョージ・ケラー 堀江未来(監訳) (2013). 無名大学を優良大学にする力:ある大学の変革物語 学文社 pp.20-21
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