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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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社会的地位と声の高さ

一方,ある科学者グループが最近発見したところによると,男性は,自分が競争相手に対して優位階層のどこに位置するかを判断し,それに合わせて無意識に声の高さを調節するという。200人の20代男性を対象としたその実験では,1人ひとりに,隣の部屋にいる魅力的な女性とのランチデートを賭けて別の男性と競うよう指示した。競う相手は2つ隣の部屋にいると説明した。
 被験者は女性とデジタルビデオ映像で話ができるが,競う相手と話をするときには声しか聞こえず,姿を見ることはできない。実際には,競う相手も女性も研究者の仲間であり,決められた台本に従っていた。被験者は,自分がほかの男性に尊敬または評価されている理由を,女性および競争相手と話し合うよう指示された。そして,バスケットボールコートでの優れた技量や,ノーベル賞を受賞できる潜在能力,あるいはアスパラガスキッシュをつくる腕前について本音を話しはじめたら,そこで会合を打ち切り,被験者に,自分自身と競争相手と女性を評価するいくつかの質問に答えてもらう。そして被験者には退散してもらう。悲しいかな,誰も勝者には選ばれない。
 研究者たちは男性被験者の声の録音テープを解析し,また質問票に対する答えを精査した。質問票を使って調べた事柄の1つは,被験者が,競争相手と比べて自分の肉体的優位をどのように評価したかである。自分のほうが肉体的に優位である—つまり力が強く攻撃的である—と考えたときには,声の高さを下げ,相手のほうが優位であると考えたときには声の高さを上げたが,いずれの場合にも,自分がそうしていることには気づいていないようだった。

レナード・ムロディナウ 水谷淳(訳) (2013). しらずしらず:あなたの9割を支配する「無意識」を科学する ダイヤモンド社 pp.191-192
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