同様に,かつてはアフリカ中に拡散していたカバも,水源さえ確保できれば大地溝帯の北の延長線上にである中東の地をすみかにしていただろう。ヒトコブラクダにいたっては,もともとアフリカの動物ではない。現生しているヒトコブラクダはすべて家畜化されているため自然分布域は定かではないが,考古学的証拠によると,少なくともアラビア砂漠は含まれるようだ。カフゼーで多数見つかったダチョウの卵殻もまた,アフリカとのつながりを裏づけるために引用されてきたが,ダチョウもかつては北アフリカ全土に広がっていた。中東には1914年まで生息しており,現存するサハラ砂漠西部の個体群は砂漠ステップで生き延びている。
クライブ・フィンレイソン 上原直子(訳) (2013). そして最後にヒトが残った 白楊社 pp.99-100
(Finlayson, C. (2009). The Humans Who Went Extinct: Why Neanderthals Died Out and We Survived. Oxford: Oxford University Press.)
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