栽培・家畜化された動植物から見れば,人間は重要な環境である。それら動植物は,その新しい環境から保護という恩恵を受け,野生種である祖先を打ち負かすことができた。こうした流れの中では,人間もまた,栽培・家畜化の仮定に否応なく組み込まれることになる。よく知られているように,狩猟採集民と比較して,農耕民は一般的に低身長で,栄養状態が悪く,病気になりやすかった。しかし,そんなことはお構いなしに農耕民の数は増え続け,いつのまにか狩猟採集民を圧倒してしまった。
クライブ・フィンレイソン 上原直子(訳) (2013). そして最後にヒトが残った 白楊社 pp.270-271
(Finlayson, C. (2009). The Humans Who Went Extinct: Why Neanderthals Died Out and We Survived. Oxford: Oxford University Press.)
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