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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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死に対する条件反射訓練

 5台のバスに乗った男女の生徒たちが,歌ったり,黙々と抱擁し合ったりしながら,陶化舗装された大通りを通っていった。
 「死体火葬場からいま帰ってきたところですよ」とギャフニー博士は説明してくれたが,その間にバーナードはひそひそ声で女教頭とその晩の会合をとりきめていた。「死に対する条件反射訓練は生後18か月で開始されるのです。どんな幼児もみな危篤者病院で毎週2日午前中をすごすことになっています。最上等の玩具が病院にはそなえてあって,死亡者の出る日にはチョコレート・クリームがもらえるのです。子供たちは死を当然の出来事と考えるようになります」
 「死以外のあらゆる生理作用と全く同様にね」と女教頭は教師めいた口調で言葉をはさんだ。

ハックスリー 村松達雄(訳) (1974). すばらしい新世界 講談社 p.189
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