さらに重要なのは,宗教は自己コントロールの2つの中心的なメカニズムに影響するということだ。それは意志の力を築くこと,監視を強化することだ。1920年代ですでに,日曜学校で長い時間を過ごす生徒ほど,自制心を測るテストでの得点が高いという報告がある。信仰心が厚い子供は,親からも教師からも,比較的,衝動性が低いと評価された。日常的な祈りや礼拝などと自己コントロールの因果関係に絞って調査した研究は見当たらないが,おそらくそのような儀式は,背筋を伸ばして座るとか,はっきりとした言葉でしゃべるとか,これまでにその効果が調べられてきたエクササイズと同じように,意志力を強化すると思われる。
ロイ・バウマイスター&ジョン・ティアニー 渡会圭子(訳) (2013). WILLPOWER 意志力の科学 インターシフト pp.228-229
(Baumeister, R. F., & Tierney, J. (2011). Willpower: Rediscovering the Greatest Human Strength. London: Penguin Books.)
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