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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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わざと

ときには,退屈していることを示すために,アレックスは私たちをからかうこともあった。たとえば,私たちが「鍵は何色?」と質問すると,彼は知っている色の名前をすべてあげるのだ——正解の色以外は。アレックスはこのゲームがだんだん達者になり,正解することよりも私たちをイラつかせることを楽しむようになっていった。統計学的には,偶然に正解以外を答え続けることは不可能に近いので,私たちは彼がわざとやっていたと確信していた。この例は「科学的」ではないが,アレックスの頭のなかで起きていたであろうことがよくわかる。つまり,かなり高度な認知過程が展開されていることがうかがえるのだ。彼が単に楽しいからやっていたのか,もしくはジョークだと認識して私たちを笑いのネタにしていたのかはわからない。いずれにしても,単に与えられた質問に答えていただけでないことはたしかである。

アイリーン・M・ペパーバーグ 佐柳信男(訳) (2010). アレックスと私 幻冬舎 pp.143-144
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