企業と顧客の間が無線でうまく結ばれ,電子的に支払いを行うようになると,電力会社やガス会社が連続支払いを求めるようになるかもしれない。コンピュータで使用量をつねに監視し,顧客の銀行口座からそのときそのときの料金を連続して引き落としていくことが可能になるだろう。企業は料金を素早く受け取れるようになり,資金をこれまでより早く投資するか使えるようになり,少なくとも理論的には料金を引き下げられるようになる。
賃金の支払いを給料日まで待つのではなく,働いている時間に1分ごとに電子的に支払うよう勤労者のグループが要求する可能性もある。
先進的な知識経済は定時型生産から1日24時間週7日の連続型活動に移行しているので,連続支払いへの移行はこれに付随する当然の動きである。そして賃金の受け取りと代金の支払いがどちらも即座に行われるようになっていくと,その結果は直接の現金取引に近づいていく。
アルビン・トフラー&ハイジ・トフラー (2006). 富の未来 下 講談社 pp.147-148
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