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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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偽りの過去

しかしこの過程にはもっと厄介な場合もあり,それは,たとえば過去をありのままに見ることの拒絶に基づいていたり,それを隠してあたりさわりのないものにしようとする場合である。過去を振り返るこのモードが頂点に達するのは,「傾向的な」やり方で過去を描くことにおいてだけでなく,完全に偽って過去を描くことにおいてである。このことは,後知恵とそこから生み出されるナラティヴについてきわめて重要な事を示唆する。物語を完全に正しく語ることは不可能かもしれないが——ナラティヴな反省の解釈的性質がそれを妨げるのは明白だ——嘘をつくこと,つまり事実として知られていることをただ無視して過去の物語を語ることは,完全に可能である。

マーク・フリーマン 鈴木聡志(訳) (2014). 後知恵:過去を振り返ることの希望と危うさ 新曜社 pp.72
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