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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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抽象作用

たいてい抽象語は,いかなる感覚印象も呼び起こさない表現として定義される。知的作業の結果は,具体的な経験と感覚の世界から抜け出して,出会った対象を「一般化」する。それは個別の歴史的状況を捨て去り,一般的なものとして残るものだけに注目する。「サトウカエデ」ではなく「カエデ」,「結婚」や「友情」ではなく「関係」,「教育」ではなく「情報」といったぐあいだ。これこそ,抽象作用の歩みが向かう方向である。日常言語においてぼんやりとしか存在しなかった概念の段階は,科学において正真正銘の梯子に改造される。その梯子を登るにつれて,事物の特性が消え去っていくのと同時に視界が開けていき,ついには最高度の普遍性に到達するのである。

ウヴェ・ペルクゼン 糟谷啓介(訳) (2007). プラスチック・ワード:歴史を喪失したことばの蔓延 藤原書店 pp.113
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