忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

風邪ウイルスに操作されている?

 たいていの人はくしゃみを症状だと思っている。しかし,そうともかぎらないという話をこれからしてみたい。ふつうのくしゃみというのは,鼻から入ってきた異物をそれ以上奥に入れないようはじき飛ばすという,生まれつき体に備わった防衛機構だ。しかし,風邪をひいたときに出るくしゃみはどうだろう?上気道の粘膜細胞にすでに入りこんでしまった風邪のウイルスは,くしゃみぐらいで追い出せるはずがない。この場合のくしゃみは全く別の意味をもつ。風邪のウイルスは人間のくしゃみ反射をどうすれば引き出せるかを学習し,それを利用してウイルスをあなたの家族や同僚,友人たちに広めようとしているのだ。
 そう,くしゃみはたしかに症状だが,風邪をひいたときに出るくしゃみはあなたを守るためではなく,ウイルスの利益のための反応だ。僕たちは感染症にかかったときに出るさまざまな反応を症状だと思っているが,それは人間に取りついた細菌やウイルスが,つぎの宿主に乗り移るための手助けをするよう宿主操作をした結果なのかもしれない。

シャロン・モアレム,ジョナサン・プリンス 矢野真千子(訳) (2007). 迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来るのか 日本放送出版協会 p.139


PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]