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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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歯痛に瀉血

歯痛には瀉血が勧められた。神経を酸や熱した鉄で焼いて,溶かした金の液ですすぐ方法もあった。「虫歯の虫」は,患者の口の中に火をつけたろうそくを入れたり,薔薇を燃やした煙でいぶしたりして追い出した。耳の後ろの皮膚を燃やす方法を勧めることもあった。
 無理もないことだが,中世の人々は歯医者へ行かずにすむためなら何でもした。歯を清潔にする「噛み小枝」は広く使われていたし,爪楊枝も普及していた。遅くとも中世末期には,裕福な家庭では家族全員が共用する歯ブラシがあったようだ。もっともブラシの豚毛がとれて喉に入ることもあったようだが。ある女医が12世紀に書いた一連の本『トロトゥーラ』では,女性は「口がにおう」のを防ぐために,上等のワインで口をすすぐようにとアドバイスしている。

ネイサン・ベロフスキー 伊藤はるみ(訳) (2014). 「最悪」の医療の歴史 原書房 pp.52
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