——国内ではなく海外に縁組する理由はなにか。
「未成年の妊娠や性的暴行による妊娠が増えている。そういうお母さんが傷つかないために子どもを海外に出すんです。海外ですべて手続きをするのなら安心でしょう?それに,障害児は日本では引き取り手がないから,外国を探すことになる。とにかく海外には日本人の養子を求める希望者がいっぱいいます。日系人,国際結婚した日本人と外国人の夫婦,白人夫婦もいる。日本の赤ちゃんはクスリに染まっていないし,健康だから人気がある」
「そもそも,国内か国外かは生みの親が選ぶんです。こちら側から『海外のほうがいい』と勧めることはない。相談者に何を助けてほしいのか聞くと,世間体のこと,望まない出産の事実が戸籍に残ることなどを切々と訴えてくる。多くの親は,そういう恐怖心があるから海外養子を選択するんじゃないですか」
高倉正樹 (2006). 赤ちゃんの値段 講談社 pp.41
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