外国人と国際結婚した日本人の話では,複数の国をまたいで家族旅行をする際,出入国のたびに同伴している子どもとの関係を入念に確認されるので閉口するという。外国では,親子の姓や国籍が異なるケースなど,不審と疑われるケースは厳格に調べる体制を整えている。それに比べると,日本の出国時のチェックは明らかに手薄で,ほとんど何の規制もないに等しい。
海外養子縁組の対策が進んでいる諸外国には,出国の際に特別な許可を必要とする国も多い。パスポートに加えて,養子縁組を許可したことを示す当局の証明がなければ,その子どもを出国させることができない仕組みになっている。
こうした対策をとっているのは,韓国のほか,インドやフィリピン,タイなどだ。出国時に許可証名の提示を求めることで,自国の子どもを外国人が安易に国外へ連れ出すことを厳しく制限している。
高倉正樹 (2006). 赤ちゃんの値段 講談社 pp.121
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