忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

自己中心的欲求

アメリカ人家庭には,日本のように「養子縁組は家を継ぐための手段」という考え方は存在しない。「恵まれない子に家庭の愛情を分かち合いたい」「アメリカ人が置き去りにしていった混血児を引き取る義務がある」と主張する夫婦がいることも確かだった。
 しかし,一方で,大城は自己中心的な欲求を満たそうとするアメリカ人たちの本音もたくさん見てきた。
 大城のもとを訪れる夫婦の中には,「自分の強い信仰心や社会的奉仕心を証明するため,子どもを養子縁組したい」と言う者もいた。「アメリカ本国では資格審査が厳しい。裁判所の審査が緩く,比較的簡単に養子がもらえるアジアで縁組したい」とあっけらかんと言い放つ者もあった。
 もっとひどい夫婦は「人形のようにかわいい東洋の少女を帰国前にもらいたい」と公言してはばからなかった。
 あの手この手を使って実母やその家族と直接交渉し,専門のケースワーカーの介入を避けようとするのが,こうした養親たちの常套手段だった。

高倉正樹 (2006). 赤ちゃんの値段 講談社 pp.198-199
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]