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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ダイバージェント

「侵略を非難する者たちは,<平和>という派閥を形成しました」
 <平和>のメンバーらがほほえみを交わしている。いずれも居心地がよさそうな赤や黄色の衣服を身につけている。いつ見ても,親切で愛情深く,自由な人たちの集団のように思える。でも,仲間に加わりたいと思ったことはない。
 「無知を非難する者たちは,<博学>の一員となりました」
 わたしは,<博学>だけは選択肢からあっさりと除外することができた。
 「不誠実な行為を非難する者たちは,<高潔>という派閥を作ったのです」
 わたしは<高潔>は好きになれなかった。
 「利己主義を非難する者たちは,<無欲>を作りました」
 わたし自身,利己主義はよくないと思う。その気持ちに嘘はない。
 「そして臆病を非難する者たちは,<勇敢>となったのです」

ベロニカ・ロス 河井直子(訳) (2014). ダイバージェント 異端者 上 pp.47-48

引用者注:この5つの派閥は,Big Fiveパーソナリティに対応していると考えられる。<平和>=情動の安定=情緒安定性(Emotional Stability)=低神経症傾向(Neuroticism),<博学>=開放性(「知性」とされることもある;Openness, Intellect),<高潔>=不誠実を非難=誠実性(勤勉性;Conscientiousness),<無欲>=利己主義を非難=協調性・調和性(Agreeableness),<勇敢>=臆病を非難=外向性(Extraversion)。もちろん,Big Fiveパーソナリティは類型ではなく特性なので,それぞれの次元を同時に有し,その程度が異なる形でパーソナリティが記述される。その意味で,誰もが「ダイバージェント」であると言える。
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