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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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切れ目のない連続性

ジャックはろばのように愚かだ (I)
 ジャックはろばのようだ    (II)
 ジャックはろばだ       (III)
 ろばだ!           (IV)
 この4つの表現において,Iが典型的な直喩でありIVが典型的な隠喩であることは,言うまでもあるまい。IとIIは直喩でIIIとIVは隠喩だ,と言うこともできる。しかしIIとIIIのあいだにも,一種の連続性がある(たとえば日本語で,IIとIIIのあいだに,「ジャックはろばに似ているどころではない」,「……ろば同然だ」,「……ろばと違いはしない」,「……ほとんどろばだ」,「……ろばそのものだ」などと言ってみればどうなるか)。
 「このように提示してみると,切れ目のない連続性という錯覚が生じてしまう,すなわち〔IからIVまでの〕すべての言いあらわし方はどれも,それぞれ先行する言いあらわし方に省略変形を加えたものとして説明されそうである。とすれば,直喩と隠喩のあいだには同じ深層構造があるのだということになりかねない〔……〕。」と,ル・ゲルンは説き,そこから,形式にもとづく比較はまとはずれであることを主張する。

佐藤信夫 (1992). レトリック感覚 講談社 pp.114-115
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