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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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必要性

延々とレトリックの歴史を通じて,理論家たちは,同じ文を直喩と隠喩に書き換えるという,正しいけれども見当ちがいな説明を続けてきたのであった。じつは,隠喩が必要でかつ十分な場合には隠喩で書き,直喩が必要でかつ十分な場合は直喩で書くという,それこそレトリックの本質的意義を,当のレトリック研究者たちは,理論としては承知していながら,実例においては忘れはてていた。隠喩のほうが元来説明不足におちいりがちなあやであるから,両様に書き換え可能な例文としては,けっきょく誤解の余地の少ない隠喩向きの例ばかりがとりあげられることとなり,気がついたときには,直喩は泥くさく口数が多すぎるといううわさをたてられていたのだった。

佐藤信夫 (1992). レトリック感覚 講談社 pp.117
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