忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

度重なる隠喩作用

私たちは,飛行機がエンジンの力で,すずめが羽をばたばた働かせて,飛ぶ姿をいつも見ているせいで,空中を勢いよく進むものを「飛ぶ」と言うのだと思っている。その連想で,矢が飛ぶとも言う。やがて,気がついてみたら,私たちは,いっこうに自力では飛んでいないグライダーも,やはり飛ぶと言い,シャボン玉まで飛ぶと表現している。考えてみれば「飛ぶ」という平常表現自体が,たびかさなる隠喩作用のせいで,要するに空中を動いていさえすれば何でもいいという,頼りない表現になってしまった。言いかえれば,焦点のさだまらない,あいまいなことばになっていた。

佐藤信夫 (1992). レトリック感覚 講談社 pp.136
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]