ところが現代でしばしば,これとはまったく逆のことがいわれる。ただ1つのことにとことん執着するのが,最前の道だという考え方が,多く見受けられるのだ。
たとえば「東大に受かること」をただ1つで最高の正解だと思う親が多かったり,「ただ1人の運命の人との出会い」を信じている人も多いし,「自分に合った天職がどこかにある」と思いこんでいる人も,多いような気がする。
しかし,あらかじめ決定された「正解」がある,という考え方は間違っている。そのような思い込みは「直感力」を鈍らせるだけだ。世界も自分自身も,日々,変化しつづけている。もちろん変わらないものもあるが,変わるものもある。そういったことを前提に,日々,人生の生活を積み重ね,非言語的メッセージに耳を澄まし,現場で直接感じる(直感する)ことが,正解へたどり着く,着実な方法なのだ。
佐々木正悟 (2007). 脳は直感している 直感力を鍛える7つの方法 祥伝社 p.145
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