そこで「話の通じない相手」をどうするかが問題となります。
もちろん「大人」になって,脊髄反射しかできない可哀想な人を「許す」のがいちばんいい方法です。「だいたいこういう人たちはまだ幼いんだから,大人になるまで待ってあげましょう。そのうちに分かるようになってくれるだろう」と自分に言い聞かせる大人もいます。そうできればいいけれど,なかなかできないですよね。たぶん,それは,私やあなた自身が「大人」でなくて,脊髄反射する子供な人たちと同じくらいこらえ性がなくなっているせいでしょう。
では,許せないんだったら,どうするか。次に考えられるのは,「無視する」という行為です。こんなものを相手にしてたら,自分のほうもバカみたいだ。とにかく無視してしまおうという態度を取る。あまり,気持ちのいい態度ではありませんが,自分自身がそれほど“大人”でないのであれば,精神衛生上そういう態度も必要でしょう。
あるいは,思いきって,単純に「報復する」という手もあります。言葉で返すだけじゃなくて,相手を殴りに行くとか,いやがらせ行為をやるということもあるでしょう。殴りに行くかわりに,ネットに匿名で誹謗中傷を書き込んだり,悪い噂を流すという手もあります。
そして最後は,この本のテーマ----「反論する」です。
仲正昌樹 (2006). ネット時代の反論術 文藝春秋 p.51-52
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