忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ラクターゼ

新石器時代の人類が動物の乳を集めるようになったのは,人間の乳幼児に与えることを目的としていたのだろう。ミルクは成人よりも乳幼児にとって重要な食品だったからに他ならない。それはなぜか。ミルクは成分としてラクトース(乳糖)を高い濃度で含んでいる。しかしその消化には胃や腸の中で酵素のラクターゼを作る必要がある。人間を含む全ての哺乳類は生まれたばかりの時には自然にラクターゼを作っており,それによって新生児は母乳を消化することができるのだ。しかし,ラクターゼの生成は通常離乳後の哺乳類では減少し,成人になるまで続くことはない。したがって,人間の大人がミルクを飲んだ時,ラクトースは消化されないままで残り,腸内の微生物環境を破壊し,激しい下痢,腸内ガスの発生やそれによる膨満などのような顕著な症状を引き起こす。

ポール・キンステッド 和田佐規子(訳) (2013). チーズと文明 築地書館 pp.24
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]