サイコパスの行動プロセスで使われる戦略と作戦を3段階に分けて見ていこう。ただしこれは,サイコパスの性格から自然に生じるもので,意図的というより,無意識のうちに行われる場合が多い。
最初は(1)評価段階で,サイコパスは相手が自分の要求をどの程度満たせるのかを見きわめ,相手の精神的な長所と短所を見つける。
次は,(2)操作段階で,慎重に練り上げたメッセージを送って,その相手(この時点ですでに犠牲者候補)を操る一方で,相手の反応を絶えずうかがいながら,支配関係をつくり,それを維持しようとする。これは,ほとんどのケースで効果的な作戦であるばかりか,対立したり抵抗されたりした際に,うまく言い逃れをしたり,その場を切り抜けたりするのに役立つ。
最後は(3)放棄段階で,サイコパスはそのゲームに飽きてしまい,散々振り回されて困惑する相手をあっさり見捨てるのだ。
ポール・バビアク&ロバート・D・ヘア 真喜志順子(訳) (2007). 社内の「知的確信犯」を探し出せ ファーストプレス pp.64
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