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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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弱点をつく

サイコパスには,人間の心理を理解し,他人の弱点や脆さを探り,利用することに長けている者が多い。それが持って生まれた特性なのか,他人の弱点を探るために人一倍努力したせいかなのかはわからない。
 いずれにせよ,彼らが最もてこずる相手は,ナルシストで自己主張や支配的な傾向が強い人間であるのは間違いない。サイコパス自身も強力な支配力を振るう傾向があるので,このタイプの人間は特に気になる存在だ。彼らには,強いエゴ,特権意識といった,サイコパスの特性に共通するところもあるが,サイコパスのような冷酷な有能さはない。
 だれかに心理的に操られていることに気づいていちばん驚くのは,自分はだれよりも頭が切れて強い人間だと思い込んでいる人間だ。とりわけナルシシストは,企業で管理職のポストに就く人数が不釣り合いなほど多い。彼らは自分のことしか考えないので,出世を確実にするために,部下を不当にこき使う一方で,上司には取り入ろうとする。
 私たちは,社内で誰かにだまされているような気がすると訴えるナルシシストの管理職と数多く接してきたが,彼らが一様に驚き,認めたがらないのは,社内に自分よりも格段に上手の者がいるという事実だ。そして,まさにこれが企業内詐欺師にとってのうまみなのだが,ナルシシストに代表されるようなあくの強いタイプの人間は,人一倍かたくなに助けや指導を拒み,他人の意見に耳を貸さないので,結局は手遅れになり,長期にわたってサイコパスの格好のターゲットになってしまう。

ポール・バビアク&ロバート・D・ヘア 真喜志順子(訳) (2007). 社内の「知的確信犯」を探し出せ ファーストプレス pp.169-170
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