とはいえ,未成年にとって,万引きはもちろん,飲酒や喫煙は違法行為です。したがって,罰を受けることは避けられません。言いたいことは,罰を与える前に,問題行動は「必要行動」と捉え直しをする視点を持って,「手厚いケア」をしてほしいということです。ケアをしないで,ただ反省させるだけの方法は,最悪の場合,犯罪者になるということです。少なくとも,問題行動が起きた直後の「反省文」はまったく意味がありません。意味がないどころか,さらに抑圧を強めて,大きな犯罪行動に至るリスクを高めます。
しかしながら,中学や高校だけでなく,およそ学校と名の付くところでは,今でも問題行動が起きたときには反省文を書かせているでしょう。反省文は,ある意味,「お手軽」な方法であるとともに,「りっぱな反省文」を読めば誰もが納得するからです。しかし,それでは問題を悪い形で先送りさせているだけです。
岡本茂樹 (2013). 反省させると犯罪者になります 新潮社 pp.69
PR