楽観的な性格は,大きな健康リスクになることもある。危険を顧みなかったり,深刻な症状を見逃したりしてしまうからだ。
このような態度は,「根拠のない楽観主義」と呼ばれる。楽観的な人は危険を過小評価し,必要な用心を怠る傾向がある。「私は大丈夫」と信じる気持ちは,手術からの回復では役に立つかもしれないが,その楽観主義が喫煙や食べ過ぎなどの悪い生活習慣につながったり,高血圧などの病気のサインを無視したりすることにつながるかもしれない。
それに楽観的な人たちは,物事が期待どおりに運ばないとことさらにショックを受ける。だから,失業,家族の死,ガンの再発など,自分の期待を裏切ることが起こると,人並み以上にストレスを感じてしまうことになる。さらにそこでやけを起こし,回復のための努力をすべて放棄して昔の悪い生活習慣に戻ってしまうかもしれない。
ハワード・S・フリードマン,レスリー・R・マーティン 桜田直美(訳) (2012). 長寿と性格:なぜ,あの人は長生きなのか 清流出版 pp.61-62
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