こういう人を一目で見分けるのは,決して簡単ではない。頭に角が生えているわけでも,いつも手に刃物を握っているわけでもないのだから。ただ,対人関係に独特のパターンがあるので,それを知っておけば,早めに気づいて,ターゲットにされることからあなたの身を守ることができるだろう。
まず,しばらく一緒にいると,何となく疲れて,重苦しい気分になる。何でもけなして無価値化する傾向が強いので,徒労感や空虚感を覚えることさえある。こんなふうに自分が枯渇していく感覚は,気づくためには非常に有用だが,同時に微妙でもある。自分が感じている徒労感と,その前に接触した人物を結びつけて考えられればいいが,普通は,過労とか年のせいとかで片づけてしまいがちだからである。
こういう人と一緒に過ごしていると,何となく落ち込むとか,元気がなくなるとかということに気づくのに何ヶ月,あるいは何年もかかると思ってはいけない。そこまで悠長に構えていたら,あなた自身が破壊されてしまうことだってあるのだから。同僚や上司,家族や親戚,友人や知人などとしばらく接した後で,混乱したとか着かれたと感じたら,要注意だ。こういう人と接した後で決まってトラブルに巻き込まれるようなことがあれば,かなり危険と警戒すべきである。
最初はわからないかもしれないが,言動を注意深く観察していけば,次第にわかるようになってくる。一言で言えば,こういう人と接した後は,ぐったりとして衰弱する感じがする。態度や会話なのか,全体の雰囲気なのか,ともかく,あなたの世界を混乱させて,あなたのエネルギーを空っぽにするようなところがある。
片田珠美 (2013). 他人を攻撃せずにはいられない人 PHP研究所 pp.32-33
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