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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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相手を否定する方法

相手の価値を否定するために用いられる方法は多種多様だが,次のようなやり方が代表的である。
 まず,冷たい態度をとるのが,一番簡単である。「あなたに対しては,何かを言う価値も,何かをする価値もない」ということを見せつけるためである。極端な場合には,口をきかず,沈黙を貫く。無視するための緘黙というわけである。
 答えないのも,しばしば使われる手である。これは,相手に対して,「あなたに関心なんかない。あなたに答えるために費やす時間もエネルギーも,もったいない」と伝えているようなものである。
 話に耳を傾けようとせず,さげすむようなまなざしを向けて,相手の要求も一切考慮しないという態度を示すこともある。極端な場合には,目を合わせないとか,目の前を通り過ぎる際にも顔をそむけるとかして,その存在を無視しようとする。
 目の前の相手が属しているジャンルの人を批判したり,非難したりするのも,よく用いられる手法である。たとえば,「スポーツをしない人は……」とか「キャリアウーマンは……」というふうに一般化して悪口を言うことによって毒を薄めてはいるものの,言われている側は,すぐに気づく。
 こういう場合,「一体何が言いたいの?」と問い詰めても,向こうは「あなたのことを言っているんじゃありません」と答えて,すっと逃げるだろう。逆に,「気にしすぎて,何でも被害妄想的に受け止めているんじゃないの」などと責められるかもしれない。
 このような態度を目の当たりにすると,こちらが何か悪いことをしたわけでもないのに,言い訳したり,弁明したりしなければならないのではないかと思ってしまいがちである。これ以上厄介な事態を招くのを避けたい一心で,謝罪することを考える場合さえあるだろう。だが,このような対応は,事態をさらに悪化させるだけのことが多い。その結果,罪悪感や無価値観を覚えて,落ち込み,自身も自尊心も失っていくことになるのである。

片田珠美 (2013). 他人を攻撃せずにはいられない人 PHP研究所 pp.107-109
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