忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

補助金→杉→公共事業

杉は木材として品質の低いチープなものですから,市場で人気がありません。植林事業が進められた時,杉だけではなく,桜,欅,栗,栃など,多様な樹木を用いていれば,世界で売れる木を育てられたのに,そうはなりませんでした。
 私は古民家再生の仕事でインテリアのプロデュースも行っています。その仕事を通して,「日本はこんなに山が多いのに,使える木がない」ということに気付きました。エルム(楡)やウォルナット(胡桃)のダイニングセットは世界中で人気ですが,杉のダイニングセットを喜んで買いたがる人は,ほとんどいません。
 こうした状況下で,杉の使い道として唯一残るのは公共工事です。最近では売れない杉をどうにかしなければいけないことから,駅や学校など公共施設に杉を使わせる行政指導が進んでいます。木造建築が増えるのはよいことですが,結局,補助金で植えた杉を補助金で建てる建造物に使う,という補助金サイクルに迷い込んでいます。

アレックス・カー (2014). ニッポン景観論 集英社 pp.120-121
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]