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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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同僚にも

最も激しい反ユダヤ主義者のなかには専門家がおり,フロイトの同僚の精神科医さえもいた。ハンス・ビューラーの『ユダヤ的なものの分離』ではユダヤ人は望むか否かに関わらず社会から「分離」すべきだと論じており,別の精神科医ヴィルヘルム・ドレスはユダヤ教徒とキリスト教徒はあまりに異なった心理的類型であるので,混じろうとしないようにすべきだと主張した。
 私が思うに,自己嫌悪的なユダヤ人はともかくとして,フロイトはユダヤ人であることについて両価的だったとは思えない。彼はこの部族の確固たる一員であったが,神を信じてはいなかった。神は人の創り出した妄想であり,ユダヤ教は他のあらゆる宗教と同様に神経症的なネアンデルタール人が必要としていた幻想であり,人類がさらに進化するために必要としていた幻想だった。

デヴィッド・コーエン 高砂美樹(訳) (2014). フロイトの脱出 みすず書房 pp.50-51
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