忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

口唇期固着?

フロイトはよく1日に20本もの葉巻を吸っていたが,その日のニコチン量が足りないと気分が良くなかった。
 顎のガンと診断されたあとでさえも喫煙を続けた。葉巻なしでは著述が進まなかったことであろうし,禁煙しようと努力したこともなかった。
 ジョーンズはフロイトになぜ喫煙するのかと尋ねたことがない。伝統的な分析的解釈では葉巻やタバコは「乳首の代用品」ということになるだろう。それなしで済ますことのできない人は口唇期——もっとも幼児期の段階——の発達段階で固着している。フロイトは娘のアンナと一緒にいる時の快感は良い葉巻を吸ったときの快感と同じだと書いている。葉巻はどちらかといえば乳首の代用品というよりも明らかに男根の象徴であるが,この文は父親としては実に奇妙な発言である。しかしながら,ジョーンズはこのことにコメントせず,分析的解釈も一切行わなかった。もし分析していたならば,ある種の象徴的レベルでフロイトが自分の娘を乳首として見ていたのかどうかについて奇妙な問題が生じていたことだろう!

デヴィッド・コーエン 高砂美樹(訳) (2014). フロイトの脱出 みすず書房 pp.93-94
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]