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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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復讐心ではない

フロイトが英国王立医学会から名誉号を授与されたのとちょうど同じころ,カール・ユング(彼はドイツ系スイス人なので,半分ドイツ人とみなせるだろう)は面倒を引き起こすことを選んでいた。ユングの行動については多くの論争があり,彼が密かにナチであったとか,ナチであると公言していたとか,反ユダヤ主義であったといって糾弾されることもよくあったが,明らかなことは彼がその状況をうまく利用したことである。いまや彼は主導的な精神分析学雑誌の編集者の任にあり,ドイツ医学精神療法学会の会長になっていた。ユングはまたドイツの精神分析を引き受ける計画にも関わっていたが,復讐心からそうしたのではないと後になって主張している。

デヴィッド・コーエン 高砂美樹(訳) (2014). フロイトの脱出 みすず書房 pp.204
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