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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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言い換え

新しい研究所は1936年5月26日に始まり,すぐにゲーリング研究所として知られるようになった。マティアスはそれに対して何も邪魔するようなことはせず,10月の開所式の演説では,新しいドイツの精神療法は非フロイト的,親ナチ的,反ユダヤ主義の基盤の上に栄えるであろうと聴衆に語り,分析家として訓練を受けたい学生諸君は,洞察力のある心理学の書である『わが闘争』を読むべきであると語った。この研究所の秘書として働いていたエレン・バルテンスによれば,「フロイトの名前は決して口にされず,彼の本は鍵付き書庫の中に置かれていた」という。フロイト派の用語は呼び換えられ,たとえばエディプス・コンプレックスは「家族コンプレックス」となった。しかし用語こそ違っていたものの,概念はほとんど同じであった。

デヴィッド・コーエン 高砂美樹(訳) (2014). フロイトの脱出 みすず書房 pp.208-209
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