相手の目を見る——特に話をしているときに相手の目を見る——人は,知性的な印象を与えるばかりか,実際に知能が高い。テンポよく,大きな声(といっても,大きすぎてはいけない)で明確に話をする人のほうが,頭の回転が速いとする証拠もある。そして最後に,美しい顔立ちは知的であることを表わしている。といっても,それは“美しさのレベルが半分以下の顔”の場合。つまり,ごく普通の人にだけあてはまる。もちろん,これはあくまでも一般的にということであって,端正な顔立ちで,顔をまっすぐ見つめてきて,よどみなくすらすらと話をしても,頭が鈍い人は大勢いるし,どちらかというと醜い顔で,目をそらして,ゆっくり話す人の中にも非常に賢い人もいる。
“見せかけの知性”を装って,実際よりも知的だと相手に思わせるのは,人が得意とするところだ。意識的に演技して,相手にほんの束の間でも知的な印象を抱かせるのは,その気になればできないこともないというわけだ。逆もまた然りで,実は賢くない人を相手にしていながら,いとも簡単に欺かれて,知的という印象を抱かされるかもしれない。
マシュー・ハーテンステイン 森嶋マリ(訳) (2014). 卒アル写真で将来はわかる:予知の心理学 文藝春秋 pp.26-27
PR