研究者はある仮説を立てた——幅の広い顔の男性は攻撃的で支配的な傾向があり,ゆえに,ほっそりした顔の男性を相手にした暴力による喧嘩で勝つことが多い,という仮説だ。その仮説をもとに,アメリカで発見された無数の頭蓋骨と,殺害された人々の200以上の頭蓋骨の幅と長さの比率を調べた。殺害された人の頭蓋骨は,死因によって“接触的な暴力”と“その他”に分けられた。接触的な暴力とは絞殺,刺殺,撲殺などで,その他は銃殺や毒殺,また,死因不明などだ。
ほっそりした顔の男性は,幅の広い顔の男性に比べて,接触的な暴力で命を落とすケースが圧倒的に多かった(女性の死因は,顔の幅と長さの比率に関係なかった)。幅の広い顔の男性のほうが体を使った喧嘩を数多く経験しているはずなのに,ほっそりした顔の男性のほうが,そういった喧嘩で死亡する確率が高いのだ。
マシュー・ハーテンステイン 森嶋マリ(訳) (2014). 卒アル写真で将来はわかる:予知の心理学 文藝春秋 pp.35
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