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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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暴力を避けようとすると相互不信に陥る

 社会の側でも警察の相談体制の充実や,告訴・告発の受理・処理体制の強化,あるいは法制度の整備などによって,被害者の声を積極的に受け止めるようになった。
 だが皮肉なことに,これまで潜在化していた日常的な暴力への嫌悪感が高まり,社会全体がそうした暴力を排除しようと取り組みはじめるという,それ自体はまったく肯定すべき動向が,同時に暴力のリスクに対する過剰なまでの忌避感情を育んでしまっているのだ。
 それは日常生活から暴力を遠ざけようとする,ごく真っ当な感覚の高まりが,暴力にあうリスクのコントロールへの要求水準を高め,その結果,相互不信のセキュリティ社会に帰結してしまうというパラドクスだ。

芹沢一也 (2009). 暴走するセキュリティ 洋泉社 p.123
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