その結果を知ったら,誰もがぞっとするはずだ。ここで焦点を当てる300の裁判では,被告人が無実を訴えた場合,大人びた顔の被告人の92パーセントに有罪判決が下り,対して,童顔の被告人が有罪となったのはその半分以下の45パーセントだった。信じられないような結果だが,裁判に提出された証拠はもちろんのこと,被告人の顔が美形かどうかということや,年齢を考慮に入れても,その結果は変わらなかった。“童顔の力は,犯罪を裏づける証拠の力にも匹敵する”と研究者はまとめている。被告人が自分の罪を認めている場合,大人びた顔の被告はかなり高額な賠償金を支払うように命じられる。といっても,これは原告が童顔の場合に限る。大人びた顔の犯罪者は童顔な被害者に対して平均以上の償いをするべきだと,裁判官が考えているかのような結果だ。裁判の場では被告人だろうと原告だろうと,童顔なものが有利なのはほぼまちがいない。
マシュー・ハーテンステイン 森嶋マリ(訳) (2014). 卒アル写真で将来はわかる:予知の心理学 文藝春秋 pp.39
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