同性愛を感知する能力は万国共通のものらしい。それもまた,その能力が進化によるものという解釈を裏づけている。ある実験では,日本,スペイン,アメリカ出身の男女が,男性の性的指向を正確に見抜いた。だが,3つの国の実験結果の差が,すべてが進化によるものではないことを示している。アメリカの被験者は,日本やスペインの被験者より,すばやく正確に性的指向を見抜いた。さらに,被験者がまちがえるパターンが,国によって異なっていた。日本——3国の中では同性愛があまり受け入れられていない国——の被験者は,アメリカやスペインの被験者に比べて,同性愛者と異性愛者を見まちがえる確率がかなり高かった。この実験結果はもちろんのこと,ほかのさまざまなデータも,同性愛の予測には文化的要因が一役買っていることを示している。
マシュー・ハーテンステイン 森嶋マリ(訳) (2014). 卒アル写真で将来はわかる:予知の心理学 文藝春秋 pp.61-62
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