スイスの子供を対象にした実験でも,驚くべき結果が得られた。その実験では,まず,5歳から13歳の子供たちにコンピュータゲームをさせた。トロイからギリシャのイタケーまでの船旅のゲームで,そのゲームの終わりに,子供はフランスの国会議員選挙の立候補者の顔写真を2人ひと組ずつ見せられて,次のような質問をされる。「きみはこれから,トロイからイタケーへ船で向かうことになった。きみの乗る船の船長にふさわしいのはどっちの人だろう?」
5歳の子供が外国の選挙に勝利する人物を予測できる——あなたが友人にそう話したところで,疑いの目で見られるのがおちだ。だが,それこそがスイスの研究者チームが実験して,《サイエンス》誌にも載った発見なのだ。子供たちが船長に選んだ人物は,71パーセントの確率で国会議員選挙に当選した。その確率は大人による同人物の当選予想正解率とほぼ同じだ。
マシュー・ハーテンステイン 森嶋マリ(訳) (2014). 卒アル写真で将来はわかる:予知の心理学 文藝春秋 pp.177-178
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