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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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厳罰社会がたどり着く場所

 福祉が救うべき人々が,万引きなどの軽微な罪で立件されて,刑務所に追いやられている。セキュリティの高まりとともに福祉が後退するなかで,社会に居場所がなくなっているからだ。
 かくして,いまや刑務所が福祉施設と化している。セーフティネットから転落した人びとは,ホームレスになるか,それとも犯罪を起こして刑務所に収容されるか,という選択肢に直面しつつある。
 これは,被害者感情をスペクタクル化した厳罰社会の帰結だ。
 犯罪被害者が厳罰を求めるのは自然な感情の発露である。また,「二度と同じ悲劇をくり返してはならない」と,セキュリティを求めるメッセージにも,責められるべき点はひとつもない。だがそうした声は結局のところ,厳罰化やセキュリティの強化にのみ水路づけられている。

芹沢一也 (2009). 暴走するセキュリティ 洋泉社 p.145
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