1995年の前年は,日本でのビール系飲料の出荷が5億7321万2000箱とピークを迎えた年だ。それもそのはず,この年は,日本の20歳人口がピークを迎えた時期でもあった。
1994年に満20歳を迎えた新成人は207万人,95年はほぼ変わらない201万人だった。つまり,団塊ジュニア世代という厚みのある世代が20歳を迎え,アルコールの消費者として加わっていった時期が,91〜95年である。ビール会社にとっては,新規の顧客が大量になだれ込んできた“入れ喰い”の時代だった。ちなみに,20歳を迎える新成人の人口は,その後は減り続け,2013年に20歳を迎えた人口は122万人まで減少している。1人の女性が一生に産む子供の平均数を示した合計特殊出生率でいうと,95年は1.42。ちなみに,団塊ジュニア世代でもっとも出生数の多かった73年は,2.14である。
速水健朗 (2013). 1995年 筑摩書房 pp.62
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