嫉妬などのネガティブ感情を持つことは苦しいものです。
プライド,自尊心,罪悪感,モラル,さまざまな脳の機能が一気に活動して混乱し,自分ではなかなか鎮めることは困難でしょう。
一方,ネガティブ感情には相応の意味があり,その最大の意義は,ネガティブ感情が個体にとって,集団内で適切な行動をとらせるためのフィードバックシステムであるという側面です。
罪悪感の正体は,こういうことをすると集団から排除されて生存・生殖が難しくなるぞ,という計算結果の表出です。脳はこういう生死に関わりかねない部分の計算は,非常に速いですね。
相手を恨む自分を責める,というのも,オーバーサンクションを抑制するための負のフィードバック機構と考えると非常に機能的な感情です。なかなか良くデザインされているなと思います。
中野信子・沢田匡人 (2015). 正しい恨みの晴らし方:科学で読み解くネガティブ感情 ポプラ社 pp.187-188
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