ここで,ある意味興味深い研究結果があります。サイコパスの傾向がある人は,異性にモテるようです。例えば,ちょっと悪そうに見えるほうが女性には魅力的にみえるのかもしれません。しかし,ヘアは彼らに魅力があったとしても,表面的な魅力に過ぎないと主張していますので,きちんと付き合えば,彼らの魅力が表面的なものに過ぎないのかどうかがわかるはずです。ですから,若い人には,あまり焦らずに相手をよく知ってから結婚してほしいと思います。そして,サイコパスの傾向をもつ人は,結婚にこだわらず,多くの異性との関係をもち,子どもを多くもつ傾向があります。この傾向は特に男性のサイコパスの人において顕著なので,サイコパスの男性は,一般の男性よりもかなり多くの子どもをもつことになります。もっとも,彼らは自分の子供に責任をもたないケースが多いようですので,彼らと結婚した女性は大変な苦労をすることになります。結果として日本では,教養があり慎重なタイプの人の子どもの割合が少なくなり,サイコパスの子どもの割合が増えていくことが予想されるのです。
木島伸彦 (2014). クロニンジャーのパーソナリティ理論入門—自分を知り,自分をデザインする— 北大路書房 pp.83
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