異なるゲームのジャンルや技術的な複雑さを取り払っていくと,すべてのゲームに共通する4つの特徴があります。ゴールとルールとフィードバックシステムと自発的な参加です。
ゴールとは,プレイヤーが達成すべき具体的な成果のことです。プレイヤーの注意をひきつけ,ゲームへの参加を促しつづけます。ゴールとは,プレイヤーに目的意識を与えるものです。
ルールは,プレイヤーがゴールに達する上での制約をもたらします。ゴールに達するために一番わかりやすい方法を奪うか,制限を加えることで,プレイヤーはまだ発見できていない方法を模索せざるを得なくなります。ルールは創造性を解き放ち,戦略的な思考を促します。
フィードバックシステムは,プレイヤーがどこまでゴールに近づいているかを示すものです。得点,レベル,合計点,進捗表示バーなどの形で示されます。あるいは,もっと簡単な形としては,プレイヤーに「このゲームは……になったら終了です」と,単に具体的な成果として知らせるだけのフィードバックシステムもあります。フィードバックが常時示されることで,プレイヤーはゴールに必ず到達できるという気持ちを保ち,プレイしつづける意欲を得ます。
最後に,自発的な参加とは,ゲームをプレイする誰もがそのゴール,ルール,フィードバックを理解したうえで,進んで受け入れることを意味します。それにより,ともにプレイする複数の人々が共通認識を持つことができます。自分の意志で参加または脱退できる自由があることは,ストレスが多くて難しい課題でも安全で楽しめる活動として経験できることを保証します。
ジェイン・マクゴニガル 妹尾堅一郎(訳) (2011). 幸せな未来は「ゲーム」が創る 早川書房 pp.39-40
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