第1に,内向的な人たちは,脳の活動にふたつの違いがあることが関係しているようです。脳の皮質領域は物体や空間,人間などの外界の情報を処理するところで,どんな刺激要因にも強く反応します。一方,外向的な人たちは皮質の活性度が低いところがあり,外界に関与している感覚を得るにはより強い刺激を必要としています。このことが,内向的な人がより浅いレベルの社交活動でも,精神的には消耗しやすく,外向的な人がより強い社会的な刺激を求める原因です。
一方,外向的な人は社交的な見返り,たとえば笑顔や笑い声,会話,接触などへの反応でドーパミンをより多く分泌する傾向があります。反面,内向的な人はそうした社交的な見返りに反応するシステムの敏感さが弱いものの,問題解決やパズル,単独での探索に伴う精神活動への敏感さが強い傾向にあります。研究者たちは,この傾向が外向的な人がなぜ他の人と一緒にいたり,刺激的な環境にいたりすることでより幸せを感じるかを説明していると述べています。外向的な人は内向的な人よりも,ものすごく強いポジティブな感情を引き出しているのです。
ジェイン・マクゴニガル 妹尾堅一郎(訳) (2011). 幸せな未来は「ゲーム」が創る 早川書房 pp.132
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