ひとつは,ゲーマーはきわめて貴重な——そしてほとんど活用されていない——参加容量提供源だということです。彼らを現実世界の仕事に効果的に関与させる方法を最初に考え出す人は,莫大な便益を手にすることになるでしょう。(ガーディアンの「地元選出議員の経費を調べよう」は,その明らかにその草分け的な試みでした)
ふたつ目は,クラウドソーシングプロジェクトは——本当に意欲的な目標を達成できるだけの参加容量を集められる見込みが多少なりともある場合には——優れたゲームが与える報酬と同じような内発的報酬を与えるように,意図的にデザインする必要があるということです。そうすることが利用できる総参加容量を劇的に増やす唯一の方法だと,私は確信しています。質の高い熱心な活動に能動的に関わることに,みんながゲーマーと同じくらい長時間費やすならば,私たちは乏しいクラウド資源を奪い合わなくてもよいでしょう。重要な集団的活動に注ぎ込まれる精神的時間が,今よりはるかに多くなるでしょう。
ジェイン・マクゴニガル 妹尾堅一郎(訳) (2011). 幸せな未来は「ゲーム」が創る 早川書房 pp.329-330
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