これが「権威の正当性を裏づける原則」だ。権威の正当性を成りたたせるものは3つある。第1に,権威に従う側に発言権があること。異議を唱えたとき,傾聴してもらえるかどうか。第2に,法の運用に信頼性があること。今日の法律が,明日もおおむね同じように適用されることだ。第3に,権威に公平性があること。この集団とあの集団で対応が異なってはいけない。
世の賢い親たちはこの3原則を無意識のうちに実践している。ジョニーが妹を叩いて困る。やめさせるには,今日はどなりつけたのに,明日は知らんぷりといった一貫性のない対応ではだめ。妹がジョニーを叩いたときも同様だ。もしジョニーが叩いていないと言いはったら,説明するチャンスを与える。罰を与えるときは,罰の中身もさることながら,「どう」罰するかということも重要だ。
マルコム・グラッドウェル 藤井留美(訳) (2014). 逆転!強敵や逆境に勝てる秘密 講談社 pp.192-193
PR