日本の大学・学部ほど,多様で回数が多く,教職員の負担が大きい入試制度を採用しているのは,OECD(経済協力開発機構)加盟国ではほとんどないようだ。その点でも,今や多様化・複雑化する日本の大学入試は「ガラパゴス化」しているとも評価でき,その重みは現場の大学教員の肩にズッシリとのしかかっているのである。
とりわけ,最近の私学受験については,国公立大学と比べても,20年前と比べても,入試方法がともかく多様化している。かつては附属高校入試とその私学(の学部)が指定する「指定高校推薦入試」くらいしか種類がなかったのが,現在では,それらに加えて,社会人入試,帰国女子入試,AO(Admissions Office アドミッション[ズ]・オフィス)入試,などなど,各大学・学部で特色ある多様な学生リクルートメントにもとづくアドミッション・ポリシーを展開している。これに日本語母語話者ではない受験者を対象とした留学生入試などを入れると,大雑把な入試方法でも9種類を超える。
櫻田大造 (2013). 大学入試 担当教員のぶっちゃけ話 中央公論新社 pp.20-21
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