いずれにせよ,ここでのポイントは,アメリカ版センター試験というべきSATでもACTでも大学教員が直接的に関わっていない点である。センター試験のように,極秘で(独立行政法人)大学入試センターに,いろいろな大学から招集された大学専任教員が集まり,作問したり,解答を作成したりする必要はなく,College BoardやACTに雇用された専門家が作問・解答・採点に専念している。
つまり,世界第1位の大学大国アメリカには通常,各大学の専任教員が作成・採点しなくてはならない個別大学入試問題というモノがなくて,大学教員は大学(学部)入試関連業務から完全に解放されている。
カナダや豪州,NZなどもまったく同じである。なお,例外は音楽・美術など芸術系分野の大学専任教員である。受験生の技能を確認するために,「特例的に」入試に駆り出されることもあるようだ。
櫻田大造 (2013). 大学入試 担当教員のぶっちゃけ話 中央公論新社 pp.190-191
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